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中国の財閥を考える
誰が中国経済を動かしているのか?
第1部 「ブッシュの息子がいた!」


いま、世界で最も成長している中国経済は、いったい誰が動かしているのでしょうか?

中国の財閥はどんな人脈、金脈のなかで、企業経営を行っているのでしょうか?

日本の、いや世界中の中国株投資家は、わずかな中国企業ニュースや当局スポークスマンの発言や発表に振り回されているのが実情です。

中国企業や中国財閥、さらには中国首脳部という暗闇の向こうを、あるときは想像し、あるときは論立てしながら、中国市場の先行きを見定めようとしています。

いまの相場は買いなのか、売りなのか。この企業は優良なのか、怪しいのか。手探りの投資を繰り返し、信じられるのは12億人という巨大な国家・中国の将来性だけ、といっていい状態です。

中国株市場は「政策市」と呼ばれます。政府要人の発言や政策が市場に大きな影響を与え、市場の自立的な相場が形成しにくいことから、そう呼ばれているのです。

しかし、「政策市」であればあるほど、私たち投資家は中国財閥・企業の素顔を知る必要があります。いや、「政策市」だからこそ、中国株投資の妙味があるのかもしれません。テクニカルな売買術だけでは、中国株は制覇できない、そうした奥深さがあるのかもしれません。

その中国財閥の素顔に迫った一冊があります。

中国財閥の正体〜その人脈と金脈」(著者・宮崎正弘 発行・扶桑社)

中国首脳やその家族、権力闘争の中で繰り広げられるスキャンダルの露呈、政治と結びついている企業の盛衰・・・・。具体的なエピソードを紹介し、中国財閥の素顔を描き出しています。また、新興財閥の実態や、台湾の経済人がもはや中国本土なしでは成り立たなくなりつつある実態にも迫っていて、中国株投資家には必見のレポートです。

詳細なレポート「中国財閥の正体」を、ほたる的視点で分析しつつ、ご紹介したいと思います。



通信ハイテクを牛耳るのは江沢民の長男!

中国のGDPが日本を抜き去る日はそう遠くないといわれます。携帯電話の普及2億6000万台、インターネットの契約者8000万、自動車生産台数444万台(いずれも2003年末)。その拡大の勢いは衰えそうにありません。

2003年師走に売り出された中国最大の生保「中国人寿保険」の株価は、たった1日で27%も急騰し、しかも午前7時から証券会社の前に長い列ができるという大騒ぎとなりました。

そして、爆発的な成長余力を秘めた中国の経済を実質的に動かしているのは誰なのか?

冒頭、著者は「すべてが中国共産党の指導であるはずはないが、特権を持つと持たないとは大きな差があるから、共産党にコネが強い資本家か、それとも共産党幹部の子弟らで構成する『太子党(たいしとう)』とみるのが自然だろう」と仮説を立てます。

そして、もうひとつ、ある方向に視点を向けます。それは「米国」です。

「ブッシュ大統領一家は石油成金、基本的に『親中派』である」と言い切り、驚くべき事実を披露します。



「ブッシュ・シニア(父親)政権の閣僚級は、ヘンリー・キッシンジャー(ニクソンとフォード政権下で国務長官、共和党の重鎮)を筆頭にスコウクラフト元大統領補佐官らが中国のロビイストとして派手に活躍した。現大統領の弟ニール・ブッシュは、上海の有力企業の顧問に迎えられているが、その事実を知っている日本人はほとんどいない。ブッシュ・ファミリーの三男は、なんと江沢民の長男・江綿恒(こうめんこう)が経営するハイテク企業の上級顧問に就任しているのである



いかがですか?皆さん、この事実が本当なら、「米中は深いところで連携している」と言い続けてきたほたるの指摘は、決して的外れではないということになります。

米国も中国もしたたかな国家です。表では距離感や対立を演出しながら、裏ではきちんと関係を結んでいるのです。それに引き換え、日本は・・・。嘆くのはやめておきましょう。

さらに米中の関係を暴きます。



「末弟のマービン・ブッシュの経営する会社が香港の豪商・李嘉誠(りかせい)率いる『長江実業』系列の企業から投資を仰いだこともある。米国の初代駐北京大使を務めたのはブッシュ・シニア。米国の思惑は中国の経済発展を歓迎しているのだ」



それでは中国側の要人はどうなのか?
さきほど登場した江沢民の長男・江綿恒(こうめんこう)に焦点をあててみます。彼の絶大なる権限に触れ、こう記述しています。

「中国の携帯電話からインターネットまでの通信事業やコンピューター・ソフト産業の許認可は、この長男が独占的に掌握しており、デジタル通信から光ファイバー、次世代携帯電話(3G)までの、あらゆる通信事業の強力な元締めである」

その江綿恒の経歴に言及します。

「米国への留学組で、ペンシルバニア州のドレクセル大学で博士号を取得した。専攻は超伝導」



米中の最高権力者の子弟同士が手を結んで深い絆ができると、強力な磁石のように利益が引っ張り合った磁場が生まれ、結構な商売が誕生することになる」(著者)



ちなみに、ブッシュの弟ニール・ブッシュは、中国企業から、どのくらいの報酬を保証されているのか。
米週刊誌「ビジネス・ウィーク」(2003年12月15日号)は、こう報じたといいます。

「年棒40万ドル(約4400万円)を5年間保証されたという。その企業の名は『グレース・コンダクター(中国名・宏力半導体公司)』というのだが、なるほど『手間をかけずぼろ儲けできる人たち(グレース・コンダクター)』というわけだ」



中国株投資家にとって、いまの関心事は短期的には利上げであり、中期的には元の切り上げです。

利上げについては、やはり中国は米国の金融政策もにらみつつ舵取りをしていると思います。米国の利上げ幅が大きいときには、中国も自分の市場から資金が流出しないように利上げを検討するのではないでしょうか。元の切り上げは米中双方にとって、企業の収益に多大な影響を与えます。

今回はブッシュと江沢民という米中首脳の関係に迫りましたが、こうした金融政策も米中がバラバラに検討しているわけがありませんよね。

ほたるの結論は「中国株投資家は米国の動きも注視する必要がある」ということです。(つづく)




オススメです

中国財閥の正体〜その人脈と金脈
膨張を続ける中国財閥の実態に迫った一冊。「太子党」と呼ばれる中国共産党幹部の子弟が「特権を利用してビジネスを拡大し、同時に私腹を肥やす人たちである」と指摘。江沢民・元国家主席の息子たちが、次代を担う通信事業関連の利権をほぼ独占的に保有していること、中国で最大の資産を有する人物が元党幹部の長男で、国務院直営企業の中国国際信託投資公(CITIC)グループのトップに鎮座していると指摘。同社の形態は、あたかも「内閣官房が商業ベースの企業を直接経営し、政治家の子供たちが経営幹部に納まるという権力と商業利権の癒着機構だ」と批判しています。

中国の成長は止まらない ○新しい中国の誕生 ○中国 その競争力の秘密
現代中国を支える6つのメガリージョン 
  ○二大IT産業集積地――珠江デルタと長江デルタ
  ○発展著しい新興地域――北京・天津回廊、山東半島、福建省
  ○日本とつながる東北三省
大中華圏=グレーター・チャイナの予兆
  ○アジアを飲み込む中国経済 ○中国政治体制の行方
日本経済はどこへ向かうのか
  ○日中関係の行方 ○対中関係の切り札・地域国家戦略 ○日本経済のとるべき道

中国高級幹部 人脈・経歴事典
驚くのは共産党指導者の家庭の現実的変化。なんと多くの現共産党指導者の子供たちが海外、とくに米国に留学したり住んだりしていることか。まず、江沢民の長男は米国で博士号を取得し、孫娘は米国で生まれた“米国市民”。技師である次男もドイツでの研修経験を持つ。ケ小平の次男・ケ質方(とうしつほう)の息子も米国で生まれている。李鵬の息子もカナダ留学の経験を持つし、李瑞環(りずいかん)の息子も米国に留学している。そして国務院首相・朱鎔基(しゅようき)の娘もカナダで華僑の息子と結婚しているという。――「訳者あとがき」より


「大儲けした12人のオリジナル株投資」

一般の個人投資家12人を徹底取材しています。今話題の中国株で儲けた人、信用取引で大きく利益を出した人、IPO銘柄に注目して資産を増やした人など、いろいろなタイプの成功者を網羅。勝っている個人投資家は何を目安に銘柄を決め、どう売買しているのか?そこにある秘訣を完全公開しています。

  


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73万円を元手に中国株を始め、6年間で1億円にした小泉鉄造氏が教える中国株投資の最強指南本。為替や手数料など、実際にやっているからこそわかる細かい情報や、2004年3〜4月に、小泉氏が中国を現地視察してわかった企業情報や最新動向を惜しみなく紹介。保有する目的にあわせた推奨銘柄(長期保有、中小型株、中短期で利幅が取れるなどの項目別)を掲載しています。巻末には小泉氏がこれから仕込もうと考えている6銘柄を袋とじにしています。 いつ、どんな株を買えばよいかがこの本1冊でわかるはずです!

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