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脱サラ成功への道
経験者に学ぶ


「脱サラ」。この言葉の響きは、自由と発展とリスクと物悲しさ・・・・。こんな印象がつきまとう印象があります。

最近はフリーターや専業デイトレイダーといった言葉が台頭して、脱サラという言葉の影が若干薄れてきたようにも感じます。

しかし、どんな言葉を使おうが、本質は一緒です。

それは時間的・精神的自由を手に入れる代わりに経済的リスクを背負う人生を選択するということです。

しかし、この人生を選択して成功するということは、どういうことでしょうか?そうです。

時間的・精神的自由を手に入れ、しかも経済的自由も手に入れるということです。



正直言って、「言うは易く行うは難し」です。だれもが夢に見ますが、そのリスクの前にしり込みします。ですから、定年退職が見え始めた年代になって、早期退職制度などを利用して、脱サラに踏み切る人のほうが多いようです。

それでは、脱サラに踏み切るパターンを分けてみます。

@会社が倒産して、やむなく脱サラの道を選ぶ。(就職先がないためフリーターになるのも、この分野)
A会社の人間関係や仕事の内容に悩んだり疑問を抱いたり、長距離通勤に嫌気がさして脱サラの道を選ぶ。
B週末起業や副業による収入がサラリーマンの給与を超えたので脱サラを選ぶ。
Cどうしてもやりたい商売や生き方があるので脱サラを選ぶ。

ほかにも、いろいろなパターンがあるでしょうが、大別すると、こういうところだと思います。

こうしたさまざまな理由で脱サラした人たち約50人の生活や心境を追った一冊があります。

「サラリーマン、やめました〜脱サラ戦士たちの『それから』」(田澤拓也著、小学館)

ここに登場する「脱サラ人」の方々は、一流企業の幹部や中堅・若手社員だった人たちばかりです。共通しているのは、誰もがサラリーマン時代より低収入にあえぎながら、そして生きがいを見つけようとしているということです。

こうした人たちを何人かご紹介し、脱サラ成功への道を探りたいと思います。



エリート人生と決別した元山一社員

4大証券のひとつ・山一證券に勤務していた谷川勝さん(59歳)は53歳のときに「自主廃業」、つまり会社の倒産に直面しました。本人はまったく予想していなかった「倒産」でした。

しかし、倒産の翌月には、転進の決断がついていたといいます。それはペンション経営です。

どうして、すぐに転進の決断がついたのか。しかも、証券マンとはまったく畑違いの道です。

「会社が危なくなる前から、よく田舎暮らしの本を読んでいた。その体験談のなかにペンションを経営している人の手記があったんです。田舎で3分の1働いて、あとの3分の2はオフシーズンの田舎暮らしだ、と。同僚は、50代でも(新たな就職先に)またサラリーマンを選んだのがほとんどだけど、私は53歳にもなって、また違う会社に行って、気を使いながら、毎日混雑した電車に揺られるのはちょっとシンドイなあという気持ちがあったんすね」

もうひとつ、谷川さんには、恵まれた点がありました。千葉県市川市の自宅マンションのローンを完済していたということです。3人のお子さんのうち、上の2人もほぼ成人し、末っ子は中高一貫の全寮制の中学校に進学していました。

奥さんと二人でペンションを経営する家庭内環境は整っていたといえます。

それから1年間、毎月2回、都内の日本ペンション連盟に通って、料理、集客、法律関係などの講習を受け、土地は気候の温暖な南房総に250坪の土地を購入。70坪のペンションを建てました。

かかった費用は約5千万円。2500万円の退職金と、父親から譲られた土地の売却金で、全額借金なしで賄ったといいます。

借金なしでのスタート。これはとても恵まれています。あとは奥さんと二人、夫婦が食べられるだけの収入があれば、生活は成立します。

客室4室。宿泊定員13名。料金は大人一泊2食付で8000円。

山一證券を退職する直前の年収は1千万円前後だったという谷川さんが、ペンション経営で得ている収支はどのくらいでしょうか。

「経費を差し引けば、年間で車一台分ぐらいもうかるかどうかだね」

収入はサラリーマン時代の7分の1に減ったことになります。しかし、谷川さんは、もうすぐ年金収入が加わります。そうすると、収入面ではひと段落。ペンション経営を通じて友人をたくさんつくって、人生を楽しむ。そんな老後が待っていそうです。

夢を実現させるために独立した起業家

「エルゴ・ブレインズ」(本社・大阪)。一風変わった社名は、エルゴノミクス(人間工学)とブレイン(頭脳)からの造語だといいます。

この会社は97年10月に設立され、インターネットによるダイレクトメール(DM)配信を主な業務としています。2003年11月現在、229万人の会員を抱え、業界でも最大規模の躍進企業です。

2002年、4年半でナスダック・ジャパン(現ヘラクレス)に上場し、社長兼会長の井筒雅博さん(44)は、1億5575万円の高額納税者になりました。

「株式の売却で8億円を手にして1億5000万円の所得税のほかに地方税も払いましたが、だいたい6億円残りました。でも、それで長岡京に家を建てたぐらいで、あとはお金を使いたいこともない・・・」

井筒さんは立命館大学を卒業後、82年春に西武百貨店に入社しました。本当は出版社で編集者をやりたかったそうですが、採用されなかったので、広告に興味のあった井筒さんは西武百貨店を選択しました。

西武では4年ほど、大阪府八尾市で店舗企画をしていましたが、広告という仕事に魅せられ、西武を退社して、30人ほどの広告プロダクションのコピーライターとなります。その後もいくつかの広告代理店を転々とし、95年末、とうとう独立します。

サラリーマン時代の年収は800〜900万円。会社をやめたいと奥さんに相談したら「面白くない仕事より、好きな仕事をしたほうがいい」と同意してくれたといいます。

退社して1年ほど、井筒さんはひとり自宅マンションでマーケティングプランナーの仕事を続けました。

その一方で、かねてから温めていた新事業の計画に着手します。それがインターネットによるダイレクトメール(DM)配信業務。後に6億円の大金を手にすることになる「エルゴ・ブレインズ」の原点でした。

「アメリカでは電子メールでDMを送付する業務が始まっていた。日本でもそういう時代がくるという予感がありました」「この仕事はとにかく会員を集めてナンボですからね。毎月ネットやメールマガジンで何千万円もの広告費を使って会員が10万人になったときから、ようやく売り上げが出始めた」

しかし、同業他社がたくさんあるなかで、この会社が生き残ったのはなぜなのでしょうか?

「当時、うちと同じビジネスを考えていた会社は50社ほどあったが、現在は事実上3社のみ。生き残れたのは、自分に広告のキャリアがあり、広告や商品が売れていくシステムを知っていたこと、他社が1通40〜50円というなかで、『1通10円でDMが打てます』と安くて分かりやすい料金設定をしたことだと思います」

現在、井筒さんの年収は4000万円前後。「02年12月期17億円だった売上高を早く100億円にしたい。僕はまだ44歳なので、55歳まではガツガツやっていたいですね」



いかがでしょうか?さわりだけをご紹介しましたが、「サラリーマン、やめました〜脱サラ戦士たちの『それから』」(田澤拓也著、小学館) には脱サラ人たちのお話がたくさん登場します。

そこで、テーマの「脱サラ成功への道」を模索しましょうね。その前に、もう一度、脱サラの道を選ぶパターンを復習しますね。

@会社が倒産して、やむなく脱サラの道を選ぶ。(就職先がないためフリーターになるのも、この分野)
A会社の人間関係や仕事の内容に悩んだり疑問を抱いたり、長距離通勤に嫌気がさして脱サラの道を選ぶ。
B週末起業や副業による収入がサラリーマンの給与を超えたので脱サラを選ぶ。
Cどうしてもやりたい商売や生き方があるので脱サラを選ぶ。

まず、@のケースですが、このケースの場合、いきなり大金持ちを目指すのは困難です。というか、やめたほうがいいですね。美味しい話が本当に見えて、またはうまい話を信じたくなって、詐欺まがいの商法に引っかかったりします。それでは何を目指すのか。そうです。大儲けしなくても、かけがえのない人との平穏で安全な生活です。まずはこれを出発点にするべきです。

山一證券が倒産してペンション経営を始めた谷川さんのケースを読むと、まさにそんな感じがしますよね。夫婦二人が食べていければいい。ペンションの部屋数も4部屋。これは夫婦2人で切り盛りできる規模です。

これを30部屋にすると、従業員が必要になります。従業員が必要ということは人件費という大きな固定費が発生します。お客さんが少ないと、人件費も心配しなくてはいけません。金策、夫婦喧嘩・・・。

ですから、大儲けしなくてもかけがえのない人との平穏で安全な生活。これが実現できただけでも、お金に代えられない、物凄い贅沢な人生を手にしたことになります。だって会社に縛られるという人生から解放されているわけですから。

次に、 Aの「会社の人間関係や仕事の内容に悩んだり疑問を抱いたり、長距離通勤に嫌気がさして脱サラの道を選ぶ」。Bの「週末起業や副業による収入がサラリーマンの給与を超えたので脱サラを選ぶ」。

Aは論外ですね。これは「現実からの逃避」です。いまの困難から逃げるようでは脱サラしたあと、さまざまな困難に勝てるとは到底思えません。いや、むしろ福利厚生が整備され、名刺で仕事ができ、毎月の給料が保証されているサラリーマンの方が恵まれていることを冷静に考えたほうがいいですよね。

Bが悩みますよね。要は副業収入のボリュームがひとつの目安になるのかもしれません。10万や20万程度の副業収入で、サラリーマンを安易にやめてしまうのは考えものです。

むしろ、サラリーと副業収入の複合的な収入で生活して、余剰金を投資に振り向けた方がまだリスクが少ない感じがします。もちろん、投資にのめりこんで、生活費も投入するのは、論外ですよ。

それでは毎月50万以上の副収入が得られた場合ですが、この場合でも留意するべきことがあります。

それは、収入の道を複数もっておくことを決して忘れないということです。Aという収入の道が絶たれたら、アウト!という生活は避けるべきです。この複数の収入の大切さは研究室「銀座ホステスを斬る〜お金持ちへの道」で詳しく述べていますので、参考にしてくださいね。

最後に、Cの「どうしてもやりたい商売や生き方があるので脱サラを選ぶ」です。会社を上場させて6億円を手にした井筒さんのケースです。この場合、井筒さんは重要なことを示唆しています。

何かって言うと「キャリア」です。会社は給与をくれて、しかもさまざまなことを学べる学校と思えば、気が楽になってきますね。その会社で誰にも負けないくらいキャリアを磨いて、独立した際、武器にするということです。

しかも、そのキャリアは人並みではダメ。優れているということです。人並みのキャリアで独立するのは、Aのケースと大差ない形になります。

自分の強みを持ち、自分の強みを知る」。

ほたるは、常々、独立して成功している人たちの共通点はこれだと感じています。


オススメです
「サラリーマン、やめました〜脱サラ戦士たちの『それから』」(田澤拓也著、小学館)
ある日会社をやめて、パン店、書店、居酒屋、僧侶、釣りショップ、医師、農家、漁師、芸術家……さまざまな仕事に散っていった52人にインタビューをおこない、ひとりひとりの辞職の転機、新しい仕事との出会い、そして脱サラ「それから」を丹念に聞き取って一冊にまとめたノンフィクション作品です。働くってなんだろう、会社って何? 家族ってなんだろう、そして今こうしてサラリーマンを続けている自分が感じる漠然とした「不足感」「不安感」に小さな答えや、これからの生き方のヒントが見つかる一冊です。

わたし、かわいいお金を海外投資で増やしました〜銀座ホステスの華麗なる資産形成術
退職金も労災もないホステスという仕事。安心できる将来を手に入れるために、知識ゼロから始めた投資方法とは? 元本500万円を10年間で2000万円にした体験を綴っています。難しいと思われがちな「海外投資」を、銀座ホステスというひとりの女性の視点からわかりやすく解説していきます。また、本を読んだり、銀座のクラブで知り合ったお客さまから学んだりした、彼女なりのお金や投資に対する哲学、専門家や情報との付き合い方など伝授しています。 やみくもに不安になる前に、ぜひ手にとってみてください。「できることはいろいろある!」と気づかせてくれます。

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