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国有株(非流通株)放出を考える
中国株リスクに備える
13億人の巨大消費地を抱える中国株に投資するのはとても夢があります。しかし、中国はつい最近、社会主義経済から資本主義経済を採用して、外貨を取り込んで発展途上中の国家であることを忘れてはいけません。 政治的には社会主義の形を取りながら、資本主義経済を採用する歪みは、株式市場に残存しています。 市場に流通していない国有株の放出問題です。古くて新しい問題。そして、本土市場の最大の重石になっている問題です。 国有株の放出というのは日本でも同じ現象がありました。電電公社からNTT、国鉄からJRに国営企業が民営化される際、政府はすべての株式を市場に放出せず、多くの株式を保有し、時機を見て徐々に市場に放出しました。その売却資金は国庫に入り、財政の足しになったのです。 しかし、中国の場合、ほとんどの企業が国営企業から民営化しています。ですから上場企業の株式の多くを筆頭株主である国有企業が握っていて、その規模たるや、日本の比ではありません。 たとえば、あのバフェットも投資していることで有名なペトロチャイナ(香港H株0857)。市場に流通している株式は10%に過ぎず、残る90%は非流通の国家株となっています。このように、国有株の割合が非常に大きいため、一般投資家にとっては国有株の放出は大きな打撃となることが懸念されていました。 とくに本土市場の投資家は、この問題にとても神経質です。 ですから、昨年8月、日本の投資家にもおなじみの深セン高速が国有株の放出を断念しました。
さらに、極めつけは昨年10月14日。中国証券監督管理委員会(CSRC)の元主席が「まず中小企業ボードで早期に放出を実現するべきだ」と語ったという発言が伝わり、深センの中小企業ボードは38銘柄中、32銘柄がストップ安を記録する事態となりました。 それほど投資家にとって、国有株の放出問題は神経質な問題です。 しかし、この国有株が大量に残存しているままでは中国の株式市場は、常に歪んだままで、投資家は常に放出の噂に振り回され、企業の収益や財務というファンダメンタルズより需給問題で株価が乱高下する事態が続きます。 中国株式市場の近代化・国際化のために、中国政府は国有企業改革や証券市場改革の中で「国有株」といわれるこれらの株式を市場に流通させることが必要であるという認識を固めています。 しかし、さきほど申し上げたように、投資家は極めて神経質です。中国当局はかつて株価の急落で放出計画を中止した経験もあります。最近は、国民の保険資金も株式市場で運用されるようになってきました。 ですから、中国政府は従来以上に株価への悪影響を考慮して国有株の放出計画を進める必要性に迫られています。 こうした中国当局の試行錯誤の末、2005年4月末、中国証券監督管理委員会(CSRC)が放出スキームを発表しました。 その内容は相当な苦心のあとも見られます。じっくりお読みになってください。
要点は以下の通りです。 @非流通株の流通が認められた場合、1年以内に放出しないと約束する Aそのあと1年以内に発行済み株数の5%以上を放出していはいけない B24ヶ月以内に10%以上の放出はしないと約束しなければいけない C1%以上の非流通株を放出した場合、2営業日以内に情報開示する 中国証券監督管理委員会(CSRC)が発表したスキームは、放出を実現するために市場へのショックをできる限り緩和することに力点が置かれています。 もう少し、分析してみましょう。 このスキームの場合、仮に国有株の放出が認められたとしても、1年以内に放出は許されません。しかも、2年目から1年間に5%以上放出することも禁じられます。さらには3年以内に10%以上放出することも禁じられます。 つまり、3年以内に放出できるのは10%以内、しかも最初の1年間は放出禁止というものです。 中国当局は相当、国有株放出による需給悪化を警戒していますね。 このスキームで株価の騰落を長期的に見た場合、3年以内に株券が最大1割増えることと、市場の運用資金の増加率や企業収益の上昇率の対決になってきます。 その株券の増え方と収益やマネー流入量のズレが株価の騰落を決めるといってもいいでしょうから、長期的にはとても微妙かもしれません。もちろん、放出が決まった直後は下落するでしょうが、長期的にはソフトランディングができない水準ではないような感じがします。 その意味では、中国当局が発表した「3年間で最大1割の放出」というのは絶妙のサジ加減かもしれません。 もうひとつ投資家にとって気になるのが、国有株(非流通株)放出の際、大きな損失を被るかもしれない投資家をどう保護するのか、その具体案です。 中国当局は今年5月、その具体案を発表しましたが、私はなるほど、そういう手があるかって思いましたね。まずは、これを読んでくださいね。
発表されたモデルケースは「非流通株主が流通株株主に対し、保有株10株につき同社株3株、現金8元を対価として支払う案」でした。まるで配当のような感じです。 |
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