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国有株(非流通株)放出を考える
中国株リスクに備える


13億人の巨大消費地を抱える中国株に投資するのはとても夢があります。しかし、中国はつい最近、社会主義経済から資本主義経済を採用して、外貨を取り込んで発展途上中の国家であることを忘れてはいけません。

政治的には社会主義の形を取りながら、資本主義経済を採用する歪みは、株式市場に残存しています。

市場に流通していない国有株の放出問題です。古くて新しい問題。そして、本土市場の最大の重石になっている問題です。

国有株の放出というのは日本でも同じ現象がありました。電電公社からNTT、国鉄からJRに国営企業が民営化される際、政府はすべての株式を市場に放出せず、多くの株式を保有し、時機を見て徐々に市場に放出しました。その売却資金は国庫に入り、財政の足しになったのです。

しかし、中国の場合、ほとんどの企業が国営企業から民営化しています。ですから上場企業の株式の多くを筆頭株主である国有企業が握っていて、その規模たるや、日本の比ではありません。

たとえば、あのバフェットも投資していることで有名なペトロチャイナ(香港H株0857)。市場に流通している株式は10%に過ぎず、残る90%は非流通の国家株となっています。このように、国有株の割合が非常に大きいため、一般投資家にとっては国有株の放出は大きな打撃となることが懸念されていました。

とくに本土市場の投資家は、この問題にとても神経質です。

ですから、昨年8月、日本の投資家にもおなじみの深セン高速が国有株の放出を断念しました。



深セン高速:国有株放出計画を先送りに

発信:2004/08/19(木) 11:39:11

 深セン、広東地域の高速道路を経営する深セン高速公路股フェン有限公司[香港上場、深セン高速道路(シンセンエキスプレス)、0548]は、当初計画していた国有株放出計画を先送りにすることを明らかにした。19日付で香港・経済通が伝えた。

  同社の陳潮透・董事長によれば、7月に設立されたばかりの深セン国有資産監督管理委員会はまだ全面的には機能しておらず、このため当初予定していた2年以内での国有株放出というタイムテーブルに見直しを迫られることになったとしている。

  また、2004年内の新たな戦略投資家の引き入れも難しい状況になってきたもよう。なお、同社は今年下半期(7−12月)に深セン以外での道路事業買収を計画している。(中国情報局)



さらに、極めつけは昨年10月14日。中国証券監督管理委員会(CSRC)の元主席が「まず中小企業ボードで早期に放出を実現するべきだ」と語ったという発言が伝わり、深センの中小企業ボードは38銘柄中、32銘柄がストップ安を記録する事態となりました。

それほど投資家にとって、国有株の放出問題は神経質な問題です。

しかし、この国有株が大量に残存しているままでは中国の株式市場は、常に歪んだままで、投資家は常に放出の噂に振り回され、企業の収益や財務というファンダメンタルズより需給問題で株価が乱高下する事態が続きます。

中国株式市場の近代化・国際化のために、中国政府は国有企業改革や証券市場改革の中で「国有株」といわれるこれらの株式を市場に流通させることが必要であるという認識を固めています。



しかし、さきほど申し上げたように、投資家は極めて神経質です。中国当局はかつて株価の急落で放出計画を中止した経験もあります。最近は、国民の保険資金も株式市場で運用されるようになってきました。

ですから、中国政府は従来以上に株価への悪影響を考慮して国有株の放出計画を進める必要性に迫られています。

こうした中国当局の試行錯誤の末、2005年4月末、中国証券監督管理委員会(CSRC)が放出スキームを発表しました。


その内容は相当な苦心のあとも見られます。じっくりお読みになってください。



非流通株の問題、CSRCが試験的解決策を発表  
05.05.02

 中国証券監督管理委員会(CSRC)はこのほど、「関于上市公司股権分置改革試点有関問題的通知」を発表し、中国本土の上場企業の株式が流通株と非流通株に分かれている問題の解決に試験的に乗り出した。CSRCは上場企業株主の改革についての意向と推薦機関の推薦に基づき、少数の改革試験企業を話し合いにより確定。改革に向けた進ちょく情況の情報開示を徹底し、流通が認められた株式にもロックアップ期間を設けるなど、株式市場に与える衝撃を緩和するための策が盛り込まれている。

 上場企業の株式が流通株と非流通株に分かれている問題は、「股権分置」と呼ばれる。CSRCの説明によると、同問題は市場予測の安定と価格発見機能にマイナス影響を与え、国有資産管理体制の改革強化にも不利益に働くなど、資本市場の基本制度を改善するうえで、大きな障害になっているという。

 今回の通知によると、非流通株の流通許可に向けては、改革試験企業の確定、取締役会決議、臨時株主総会決議−−のプロセスを経ることになる。

 改革試験企業に選ばれた上場企業が臨時株主総会で「股権分置」問題の改革案を決議する場合、決議に参加する株主の議決権の3分の2以上をもって承認されなければならない。また、決議に参加する流通株株主の議決権の3分の2以上をもって承認されなければならない。

 改革試験企業に選ばれてからは、進ちょく情況にあわせて情報開示や売買停止などの措置を規定通りに実施する。

 非流通株の流通が認められた後、当該株式の保有者は流通が認められた日から少なくとも12カ月以内にわたって、市場での取引や譲渡を行わないと約束しなければならない。

 発行済み株数の5%以上の株式を保有する非流通株株主は、約束の期間が満了した後、証券取引所を通じて売却することができる株式の発行済み株式数に対する比率について、12カ月以内は5%を超えない、24カ月以内は10%を超えないことを約束しなければならない。

 非流通株株主が売却した株式が、発行済み株数の1%を超えた場合、当該事実の発生日から2営業日以内に情報を開示しなければならない。

 また、今回の改革が実施された後、新規公開(IPO)を実施する企業については、上場株式とロックアップが設定された株式を区分しないという。

【出所】中国証券監督管理委員会(CSRC)サイト(2005/04/30)
     「上海証券報」(2005/04/30)


要点は以下の通りです。

@非流通株の流通が認められた場合、1年以内に放出しないと約束する
Aそのあと1年以内に発行済み株数の5%以上を放出していはいけない
B24ヶ月以内に10%以上の放出はしないと約束しなければいけない
C1%以上の非流通株を放出した場合、2営業日以内に情報開示する

中国証券監督管理委員会(CSRC)が発表したスキームは、放出を実現するために市場へのショックをできる限り緩和することに力点が置かれています。



もう少し、分析してみましょう。

このスキームの場合、仮に国有株の放出が認められたとしても、1年以内に放出は許されません。しかも、2年目から1年間に5%以上放出することも禁じられます。さらには3年以内に10%以上放出することも禁じられます。

つまり、3年以内に放出できるのは10%以内、しかも最初の1年間は放出禁止というものです。

中国当局は相当、国有株放出による需給悪化を警戒していますね。

このスキームで株価の騰落を長期的に見た場合、3年以内に株券が最大1割増えることと、市場の運用資金の増加率や企業収益の上昇率の対決になってきます。

その株券の増え方と収益やマネー流入量のズレが株価の騰落を決めるといってもいいでしょうから、長期的にはとても微妙かもしれません。もちろん、放出が決まった直後は下落するでしょうが、長期的にはソフトランディングができない水準ではないような感じがします。

その意味では、中国当局が発表した「3年間で最大1割の放出」というのは絶妙のサジ加減かもしれません。

もうひとつ投資家にとって気になるのが、国有株(非流通株)放出の際、大きな損失を被るかもしれない投資家をどう保護するのか、その具体案です。

中国当局は今年5月、その具体案を発表しましたが、私はなるほど、そういう手があるかって思いましたね。まずは、これを読んでくださいね。


 中国証券監督管理委員会(CSRC)は先ごろ、「関于上市公司股権分置改革試点有関問題的通知」を発表し、「股権分置」問題の解決に試験的に乗り出した。本日、初めての「股権分置」方案は発表された。三一重工股フン有限公司(600031.SS)は、同社の非流通株主が流通株株主に対し、保有株10株につき同社株3株、現金8元を対価として支払う案を発表した
(内藤証券)

発表されたモデルケースは「非流通株主が流通株株主に対し、保有株10株につき同社株3株、現金8元を対価として支払う案」でした。まるで配当のような感じです。

ただ、この擬似配当の水準がよく分かりません。放出によって株価が下落して被る含み損分を勘案した水準ということになるのでしょうか。私の個人的な好みで言うと、この方法は好きですが、それは私が長期投資家だからかもしれません。

タダで株券の数が増えるうえに現金配当ももらえるのですから、あとはその基準が投資家にとって満足な算出方法かどうかだけです。

この方法が実際に適用された場合、株式の配分量が適当か不適当か、その度合いが市場の評価を分けることになりそうです。






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「中国株二季報 2010年夏・秋号」
日本株でいう「四季報」に匹敵する「二季報」の最新号が発行されました。この種の本はいくつか発行されていますが、香港、上海、深セン各市場の上場企業を研究するのには一押しです。何よりも見やすく、データーが整理されています。しかも、解説も的を得ていて中国企業を分かっている人が書いているな、という感じがします。割安株はどれか、自分で研究したうえで、投資したいという中国株投資家にとっては必携の一冊です。

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