あとがき
本編書かずにまた外伝。(っつーか五剣伝の方はどうした!?)
今回は一発ネタ。修羅の心と鬼の腕を持つ人のお話です。
”鬼殺し”のキャラクターはかなり前から考えていたんだけど、
時代設定や場面設定がなかなか決まらず、
執筆が大幅に遅れてしまった…。
まぁそれでもその分しっかりと書けてよかった。
魔性や過去を背負っているキャラっていうのは大好きなもんで、
中途半端にしたくなかったんだよね。
ちなみに”鬼殺し”と鯨が闘ったら恐らく勝つのは鯨。
純粋に剣の腕だけなら”鬼殺し”の方が上だけど、
鯨の必殺技はちょっと凶悪すぎるので。
まぁその必殺技については本編でいずれ…。
では、この話についてです。
- ”鬼殺し”
- 今回の主人公。本名不詳。(もとは)純人間。
鬼を殺し、その腕を奪うという剛の者。修羅の性をもつ。
以前はスピード重視の小太刀二刀流だったが、
現在は右の大太刀と左の小太刀による二刀流。
鉄壁の間合いを誇る。鬼の腕を出さずに、左手一本で闘っても十分強い。
左腕だけでも髭男(笑)を倒せただろうが、
あそこでは男の願いを叶えるためにあえて鬼の腕を出したというわけである。
ちなみに右腕がわりの腕鎧は思い通りに動くが、さすがに微妙な筆使いには
支障をきたすようで、筆を握るのはもっぱら左手である。
でも箸は右で使う…。
なおラストで鯨を追うとか言っているが、今後の登場予定はナシ…。
- 鬼
- 平たく言えば悪魔。数十年前に文字通り”鬼殺し”に殺される。
人界の山奥でひっそりと暮らしていたが、
年老いて余命幾ばくもなくなったときに生来の修羅の性が抑え難くなり、
死ぬ前に人間のつわものと死合いたいと思い山を降りる。
別に人間に危害を加えたりはしなかったが、
その姿を見た人間は怖れおののき、
案の定、腕の立つ者を集めて鬼退治を依頼するようになる。
そして数多の闘いの末に、遂に”鬼殺し”に討たれることになる。
だが、腕だけは修羅の性と共にいまだに生き続ける。
そして強敵の気配を感じると、勝手に出現しようとする困った奴。
なお鬼の腕は、”鬼殺し”ではなく鬼自身の意識が制御している。
”鬼殺し”が鬼の腕までも完全にコントロールしているように見えるが、
あれは実は、二人(?)の息の合った絶妙のコンビネーションの
賜物なのである。
- 男
- ”鬼殺し”に滅ぼされた村の生き残り。オッサン。
仇討ちに来たものの返り討ちに遭い戦死。合掌。
数十年の修行の果てに身に付けた剣技と実戦経験はかなりのものだったが、
それでもバケモノを倒すには力不足であった。
- 蒼澤鯨
- 今回はただの聞き手。
日頃から持ち前のマイペースぶりでトラスを振り回している彼だが、
今回ばかりは”鬼殺し”に完全にペースを握られていた。
やはりそのへんは”鬼殺し”の年の功か?
(とか言うと”鬼殺し”に殺されそう。笑顔で)
- 謎の悪魔
- 本名不詳。通称”師匠”。”鬼殺し”に魔法の腕鎧を渡したお方。
魔界最高の刀匠にして鎧鍛冶。と同時に魔界最高の空間魔法の使い手。
自分の作品の材料を探すためなら、天界だろうと、魔界だろうと、
人界だろうとどこへでも飛んでいく。
また、生粋の悪魔だが変わり者で、
自分が気に入った者には種族を問わずに武具を提供する。
詳しくは五剣伝−魔界編−あたりで…。
- 腕鎧
- ”鬼殺し”が”師匠”に貰ったもの。
内側には細かい魔法文字が刻まれており、
それらが持ち主の意識を魔的要素の流れとして捕らえ、
その流れの微妙な変化を関節の動きに変換するので、
中に魔的要素をこめれば持ち主の意志で自由に動かすことができる。
”鬼殺し”は、普段は異次元に存在する鬼の腕から漏れる
魔的要素を使ってコレを動かしている。
超高硬度を誇る魔界の金属で造られており、
また魔法文字が結界の役割も果たすので、
直接攻撃、魔法攻撃の双方に対して高い防御力を示す。
本来は全身鎧の一部で、鎧の中に魂や霊体をいれれば、
強力な無人兵器として運用することも可能である。
この話を書く為に買った『図説 西洋甲冑武器辞典』がかなり良い。
世界史の勉強にもなるのでオススメです。
ハイ・ゴティク式甲冑サイコー♪
2003.9.28