朝。
眩しい光。
昨晩までの雨が嘘のようないい天気。
何かいいことがありそうな予感。
通い慣れた道。
いつもの遊歩道を歩く。
大きく息を吸い込んでみる。
やや水分を含んだ空気が心地いい。
見上げれば秋晴れの青空。
そこにはもう雲ひとつない。
そして今。
そよ風に吹かれた一枚の葉が宙に舞った。
背景の青に映える黄葉。
スローモーションで落ちてくる葉に思わず見とれた。
ゆらり、ゆらり。
螺旋を描きながら気ままなダンスを踊る。
最後のターンを綺麗に決めて、葉はふわりと水面に降りた。
ちいさな水たまりに広がる波紋。
陽光に照らされ輝く波紋は、まるで天使のリングよう。
人のこころに安らぎをもたらす。
そしてまた歩き出す。
落ち葉舞ういつもの遊歩道を。
ちいさな幸せをこころに感じながら。
秋からのプレゼントを全身で受け止めながら。
<了>