新居浜地獄ツアー


2004年5月24日(月)

昼休みに、会社の先輩に滝の宮公園とそこへ行くための
近道を教えてもらったので、
会社が終わってから早速行ってみました。
寮で晩飯を食べて自転車で出発したのが18時前。
まだまだ太陽さんは元気でした。
AEON付近からまず件の近道へ突入。
畑の合間を通る自転車&歩行者専用の道みたいでいい雰囲気。
そんな道をしばらく走って、
目的地の滝の宮公園には30分もかからず到着。
そしてここもすごく良い!
大きな池の周りに日本庭園やらミニ動物園
(アライグマ、ヤギ、ウサギ、クジャクetcがいた)やら遊歩道やらがあり、
緑も多く、丸一日暇をつぶせそうなそんな素敵空間でした。
そんなわけで自転車を降りてしばしお散歩。
さらに急な斜面をしばらく歩いていくと展望台があり、
そこからの眺めもまた最高。
新居浜の市街地が一望できますよん。
そしてその展望台の横に車が通れそうな道があって、
それがどうも滝の宮公園に繋がってるみたいな感じだったんですよ。
そこで私は何を血迷ったのか、とんでもないことを思ってしまった。
「せっかくギア付き自転車買ったんだから、自転車でここまで登ってみよう」と…。

思えばこれが無間地獄の始まりだった。
だがこのときの私はそのことに気付いていなかった。
てくてくと公園の駐輪場まで引き返して、自転車で出撃。
実はここで私はまた選択肢を誤っていた。
駐輪場に戻るときに自転車で通る道を確認しておくべきだったのだ。
そうすればこのアホプランがいかに無謀かを思い知って断念しただろうに。
だが、このときは「あとでのお楽しみ♪」と思って、
別の道を使って駐輪場に向かった。
で、ある程度は予想していたが、登り始めてみると坂道がキツイ。かなりキツイ。
ギアを低速にしててもなかなか登れない。
だが、途中で2、3回止まりながらもド根性で小展望台というところに到着。
ここにはさっきとは違う展望台があり、さっきは見えなかった角度の街並みも見えて、
なかなか良かったです。

さてそこから今度は大展望台(仮)への登頂に挑むわけだが、
このときは、ここまでの登りが辛かったこともあり、
「もう大した登りは残ってないだろう」と勝手に思い込んでたわけだ。
そして小展望台で少し休憩して体力が回復したところで再スタート。
はじめは平地と下りでスピードがつき、それからいよいよ上り坂が出現する。
その坂に、ここまでで稼いだ運動エネルギーを以って立ち向かう。
登る。だんだん速度が落ちてくる。
なんだよこの坂?
登る。息を乱しながらもペダルをこぐ。
長すぎないか?
登…れなくなった。ついに止まってしまった。
振り返ると結構登ったことがわかる。
だが、前方にもまだそれと同等の距離の坂道が残っている。
急勾配の直線の登り坂が。
このとき頭に浮かんだのは
「俺たちは登り始める。長い、長い坂道を」というアレのフレーズ…。
いや、まじでそんな心境でした。
それでもこんなところで諦めてたまるものか。
皆さんご存知のように(?)、私はネタの為になら命を張る漢である。
(ただの馬鹿という説も)
やると決めたら最後までやるんじゃい!
というわけで登坂再開。
だが、この急勾配では2、3回こぐのが精一杯で、それ以上はどうしても進まない。
だんだん足がつりかけてくる。陽も暮れかけてくる。
それでも決して自転車を押すことなく、
最後まで愚直にこいでは止まりを幾度となく繰り返し、ついに長い坂を登りきる。
そのあとは勾配が緩やかになっており、まともにペダルがこげる。
そしてそのまま一気に登ってゆき、遂に大展望台に辿り着く!!

が、感動に浸る間もなく大展望台をそのまま素通り…。
19時を過ぎてもう辺りがかなり暗かったのと、
激闘の果てにもう一度展望台に登る気力と体力が残っていなかったからである。
そしてここでまた致命的な選択肢ミスを犯す。
目的を達したんだから素直に来た道を引き返せば良かったのに、
勢いに乗って道の先に進んでしまったのだ。
まぁ周りにそこより高い場所はなさそうだったし、
苦労した分、まだ見ぬ下り坂を一気に駆け抜けたかったというのもある。

だが、ミスはミス。 そしてここからはバッドエンド(いやむしろデッドエンド?)へ一直線…。
しばらくは舗装された下り坂で気持ち良かったんだけど、すぐに砂利道へと変わる。
しかもアップダウンが結構ある。
下りはスピード出ないし、登りはもっとスピード出ない。
しかもなんか微妙に街から遠ざかってるような気がしないでもない。
それでもここまでくるともう完全に意地だけでその道を走破する。

次に舗装された道に出たのは…え、これってクラブハウスじゃないの?
ってことはもしかしてゴルフ場!?
そう、そこは滝の宮カントリークラブ(あとから判明した)であった。
そのときは名前まではわからなかったけど、以前見た地図で、
大きな公園の近く(?)にゴルフ場があった気がしたのでなんとなくガッテン。
そしてクラブハウス前の駐車場から舗装道は先へと伸びている。
ということは道なりに進めば、麓に行けるというわけだ。
ちょっと光明が見えた気がしてその道をひたすら前に進む。
ちなみにその頃、辺りは真っ暗。自転車のライトだけが頼りである。
基本的に下り坂で、多少の登りがあっても
先程の死の登り坂と砂利道に比べれば屁でもない。
しばらく行くともうあとは完全な下り坂。ブレーキ全開でとにかく下る。
途中で道が登りと下りの二手に分かれるが、もちろん下りの方を選択。
もうこれ以上登る気力も体力も皆無です、はい。
そんでもってそこからは舗装道を走り、田んぼの畦道を走り(落ちそうで恐かった)、
踏み切りを越え、ひたすら進む。
そこで遂に文明の灯、コンビニを発見する。

辿り着いたのはデイリーヤマザキ萩生店。このとき20時10分ぐらい。
ここで地図を見てようやく現在地と帰還ルートが判明する。
どうやら新居浜の隣の駅である中萩のすぐ近くまで来てたようだ。
だが、帰り道は16号線をひたすらまっすぐ進み、
ツタヤのところまで行けばあとは知った道である。
思ったより遠くに来てなくて良かった〜。
水分と糖分を補給し、ようやく一心地。そしてまた自転車に乗る。
あとはツタヤまで一本道を進むだけ…だと思っていた。
ところがツタヤまでの道は歩道が狭くてしかもやけに道路との段差が高い。
おまけに横を車が猛スピードで通り過ぎてゆくので滅茶苦茶恐い。
おっかなびっくり、下手すると徒歩よりも遅いぐらいのスピードで
ペダルをこいでゆき、なんとかかんとかツタヤを通過。
そこからは歩道も広く、一度来た道なので安心。
それでも気を抜く余裕なんか全くなかった。
安全運転で16号線から11号線に進み、
市役所の横を曲がってあとは寮まで一本道。
そして21時……無事帰還。

いやもう満身創痍もいいところですよ。
ペダルをこいでた足とブレーキを握ってた手はへろへろだし、
精神的にもかなり疲れたし…。
今後はもっと考えて選択肢を選ぶようにしなきゃなぁ、まじで。
とりあえず自分にお疲れ様。そして…アホな子か、おまえはっ!
あとは共に苦難を乗り終えた(バカに付き合ってくれた)愛車『涼風』に
「酷使してごめんね。今後ともよろしく」
と言葉をかけて、この地獄ツアーの記録を締めさせて頂きます。

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