sin―罪―

どこまでも続く夜だけの世界。
微かに射し込む赤い光の中で
罪人(とがびと)たちの叫びが聞こえる。

凍てつく混沌。
吹き荒れる永遠。
言霊の鎖に繋がれて
私もまた、ここで刻(とき)を待つ。

四方を囲む光の壁。
その向こう側に行きたくて。
でも…。
壁に触れた手は粉々に砕け散り
欠片を虚空にさらわれる。
幾度も繰り返される光景。
それでもなお、ない手を伸ばし続ける。

荒涼たる灰の惑星。
それが私のすべて。
そしていつまでも刻を待つ。
消えない罪が消えるときを……。
<了>

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