初めての陽射しがまぶしすぎて、
初めての空が青すぎて、
思わず瞳を閉じる。
ずっと光なき世界を生きてきた私。
多くの命を糧にしてきた私。
闇の中にあって、なお辺りを黒く染める存在。
人は私をこう呼ぶ――『澱んだ闇を纏う者』と。
そんな私も、やっとここに辿り着いた。
この光溢れる世界に。
あぁ、空はなんて高いんだろう。
あぁ、私はなんて小さいんだろう。
風は舞い、緑は躍り、すべてが私を祝福してくれる。
そんな優しい世界。
私は今、ここから歩き出す、
光の中へ。
光の中にあって暗く、闇の中にあってなお暗き存在。
人は私をこう呼ぶ――『澱んだ闇を纏う者』と。
私はいつまでも歩き続ける。
『闇』という名の宿命を背負って…。
<了>