ナショナルスタッドのバスツアーの後、再び市街地へと向かった。 昼を過ぎていたので競馬博物館のすぐ近くにあったハンバーガー屋で腹ごしらえをする。 そうこうする間にも意識は既に博物館だ。ああ、どんな歴史上の資料が見られるんだろう。
入口 (とウチの奥さん) 昼食後、はやる気持ちを抑えつつ博物館へ突撃。 £3.5 の入館料を払って中に入ると... あるわあるわ、20世紀最強牝馬と名高い 1901年生まれの プリティポリー(Pretty Polly)のたて髪 だの、 牝馬三冠+2000ギニーを勝った セプター(Scepter)の蹄 だの、 ロンシャン競馬場で銅像を見た グラディエイター(Gladiateur)の尻尾 だの、 300年前の三大始祖をはじめとする様々な名馬の肖像画だの、過去の名ジョッキーの遺品だの、 もう数えきれないほどの貴重な品々が目白押し。 館内は撮影禁止のため、ここで写真を紹介できないのが非常に大変とんでもなく残念だ。
せめて看板だけでも見て下さい 何度も言うようだが、私はっきり言って歴史上の名馬とか伝説の人物とかにムチャクチャ弱いです。 もう目まいしまくりだったが、そんな中でもひときわすごかったのが、かの セントサイモン(St.Simon) の産駒 パーシモン(Persimmon)の頭の剥製 だ。セントサイモンは19世紀最高の馬と言われるほどの名馬。 その直仔の頭が目の前にあるなんて... パーシモンが壁から首を出してこちらを見ているのを見つけたときは卒倒するかと思った。
と・こ・ろ・が、これでも終わないのがイギリスのすごいところだ。 この博物館にはなななんと、エクリプス(Eclipse)の骨格 が保存されているのだあああ。
【エクリプス】200年以上も昔にいた世界のサラブレッドの起源とも言える馬の骨が目の前に... 卒倒を通り越してもう失神寸前だった。
エクリプスは三大始祖の一頭ダーレーアラビアンの 4代孫にあたる。 1764年、生まれた日に大きな日蝕(Eclipse)があったことが名前の由来と言われている。 18戦無敗の戦績や、馬主がレース前に「エクリプス 1着。他馬はまだ見えない」と宣言してその通りになったという逸話もさることながら、 何がすごいって現在の世界中のサラブレッドの 8〜9割(!)が父系を遡っていくと(父の父の父の父...というように) このエクリプスにたどりつくことだ。すごすぎる。ちなみに帰ってきてから弟にその話をしたら「本当にエクリプスの骨かあ〜?」などと失礼なことを言っていたが間違いなく本物だ。 だってホオ骨のあたりに "Eclipse" って書いてあったもん。(爆)
ああ、返すがえすも写真撮影ができなくて残念。 そんなこんなでぼーぜんとしながら競馬博物館を出たのであった。
その後は車で近場をちょっと回った。車で時計台を通り過ぎ 1,2分行くといきなり広大な芝の土地が眠前に広がる。 テレビとかでよく見るイギリスの調教場のように見えるが、いかんせん芝生以外には何もないので自信がない。 しかし車から降りてよく見てみると、果たして道端の土の部分に馬の足跡が無数にあったのでまず間違いないだろう。 きっと早朝に来たら馬たちがトレーニングに励んでいる光景が見られるに違いない。 次はぜひ一泊しようと思いつつニューマーケットを後にしたのだった。
広大すぎる芝地 ニューマーケット。「競馬の聖地」の言葉に偽りなし。
イギリスへ行く機会のある競馬ファンの方はぜひぜひ訪ねてみてほしい。