1997年に初めてロンシャン競馬場へ行った時 は友人の家から徒歩で。 2回めの 2000年は友人に正門まで車で送ってもらった。 そして今回は 3度目にして初めて公共交通機関でロンシャン競馬場へ行くことになった。 メトロ10号線の Porte d'Auteuil 駅からシャトルバス、というのが一般的なようだが、 今回はもう一つ先の Boulogne Jean Jaures 駅から散歩がてら歩いていくことにした。 1997年にも歩いた競馬場周辺の道を通って正門到着。駅からは 20〜30分ぐらいだった。ヨーロッパの通貸がユーロになってから初めてのロンシャン競馬場。入場料は 8ユーロ。 チケット売り場は相変わらず目立たない。
チケット売場と正門
入場券 競馬場に到着したのが 14:30過ぎと前2回よりも遅かったこともあるかもしれないが、 それにしても今回はものすごく混んでいるように思えた。 場内に人が多すぎて歩きにくいし、パドックも既に黒山の人だかりだ。 こんなに混んでるなんてどうなっちゃってるんだ? Gladiateur像の周りにも常に人がいて単独写真が撮れない始末。 人の多さに比例して、すんごい帽子の数も大量だ。
Gladiateur像
すんごい帽子の数々
前と比べて一番変わったのは馬券の種類。 1997年には、Gagnant(ガニャン:単勝)、Place(プラッセ:複勝)、Jumelee(ジュムレ:馬連)、Jumelee Place(ジュムレプラッセ:ワイド)、Trio(トリオ:三連複)の 5種類だったが、その後いくつかの名称変更と種類追加があったようで今では、というような状況。後ろの方は複雑すぎてよくわからなかった。(どうせ当たらないし ^^;)
- Gagnant (単勝)
- Place (複勝)
- Couple (出走4〜7頭のレースでは馬単、それ以外は馬連)
- Couple Place (ワイド)
- Le Trio (三連複)
- Le Trierce (三連単)
- Le Quarte (四連単、四連複、三連複のコンビネーション)
- Le Quinte (五連単、五連複、四連複、三連複のコンビネーション)
- Le Multi (四〜七連複)
モティベーターの単勝馬券 また、自動馬券販売機も新しく導入されていた。日本のマークカード式とは異なり、その場で画面を見ながら、レース番号、馬券の種類、組合せ、金額などを入力する方式。これだと行列が長くなりそうな気もしたが、口頭窓口よりはるかに空いていた。なぜだろう。
発行される馬券も以前の細長いものとは異なり、もっと正方形に近く見やすいものになっていた。
また、内馬場のターフビジョンが増設されていたのを始めとして、場内のモニターがずいぶん増えているという印象を受けた。 伝統を重視するフランスでも改善されるところは改善されていくのだ。
その一方で、森の中のようなパドック、広い馬場、1コーナーの風車など、以前と変わらないものもたくさんある。 再び帰ってきたぜと存分に感じることができる。
パドック
昼休みのパレード
今年の凱旋門賞は 3頭の 3歳馬が有力候補に挙げられていたが、この 3頭はいずれもモンジュー産駒だ。 モンジューは 1999年のこのレースで日本のエルコンドルパサーの野望を打ち砕いた馬。 あの馬が今度は父となって凱旋門賞を賑わしている。競馬の血の流れを感じる。3頭の中で1番人気に推されていたのは、 ここまで 6戦5勝2着1回というほぼパーフェクトな結果を残しているハリケーンラン(Hurricane Run)。 ここ数年の勝ち馬のほとんどが前走として選んだニエユ賞を勝っての参戦ということもあり、ここでの 1番人気も当然か。 2番人気は英ダービー馬モティベーター(Motivator)。3番人気はスコーピオン(Scorpion)。 私は、英ダービーを圧勝した時の強烈な強さを信じてモティベーターから買うことにした。
内馬場へ行って全然レースが見えなかった 1997年の反省を踏まえ、今回はメインスタンドの一番前の段あたりに陣どった。 ここなら馬場も見渡せるしターフビジョンも正面だ。完璧。 スタート直前になってにわか雨(かなり大雨)が降り出したが、ちょうど屋根の切れ目手前だったこともあり、もっと前の方にいた人たちがわらわらと避難する中、そのまま落ちついて観戦することができた。
発走直前、にわかにかき曇る空
大雨の中、最後の直線の攻防 そしてレースはハリケーンランの完勝だった。 4コーナーを回るまではずいぶん後方にいたハリケーンランだったが、直線を向くと内を突いて力強く伸びてくる。 前で抜け出そうとしているモティベーターをあっさり差し、外から追ってくるウェスターナー(Westerner)の追撃もあっさり振り切って1着。 着差以上に強いレースだった。ハリケーンランの勝負服は父モンジューと同じ。モンジューファンにはたまらないレースだっただろう。 なお、私が買ったモティベーターは直線で見せ場は作ったものの 6着に沈み、私の馬券はロンシャンの藻屑と消えたのだった。
勝って引き上げるハリケーンラン この凱旋門賞が終わったところで時間の都合もありロンシャンから退散。 帰りはシャトルバスで Porte d'Auteuil駅まで行ってメトロで帰った。
大レースであり 1番人気馬が実力通りに勝った凱旋門賞はもちろんのこと、その他のどのレースでもものすごい観声で盛り上がったこの日のロンシャン競馬場。 レースも競馬場もやはり世界最高峰の一つであることを身をもって再認識した一日だった。 今年は残念ながら日本馬の参戦はなかったが、また近い将来、強い日本馬が参戦し、そしていつかきっとこの大レースを勝つことを願ってやまない。おわり