1996年G1観戦記

Last update on Dec.27 1996

このページは 1996年の G1レースを見た感想のページです。

桜・春天・NマC・高松宮・オークス・ ダー安田宝塚
秋華秋天エ女マCSJC阪神 3牝朝日杯スプリン有馬

(注)成績のカッコ内の数字は単勝人気。


日本ダービー

96.6.2 東京芝2400m 4歳(指) 定量  18頭(消1) 良
  △7 13 フサイチコンコルド  57 藤田  (7) 2.26.1
  ◎2  3 ダンスインザダーク  57 武    (1) クビ
    7 15 メイショウジェニエ  57 河内  (9) 1-3/4
  ▲6 12 ロイヤルタッチ      57 南井  (2) 2-1/2
  △3  6 サクラスピードオー  57 蛯名正(4) 1
単13 2,760円  複13 660円, 3 150円, 15 730円
枠2-7 1,930円  馬3-13 3,420円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ ダンスインザダーク(2)
○ ミナモトマリノス(9)
▲ ロイヤルタッチ(4)
△ サクラスピードオー(5)、マウンテンストーン(11)、フサイチコンコルド(1)

無念の熱発で皐月賞を回避したもののトライアルを圧勝し、また血統的にも適距離のダンスインザダークが◎。 武豊はこのレースを勝つと八大競走全制覇となるがこういう大記録をさらりと達成するのが天才の天才たるゆえん。 同じサンデー産駒の2頭は恐いが、ダンスのV確率は高いとみた。 ○はミナモトマリノス。重馬場とはいえ若葉Sでロイヤルタッチを並ぶ間もなく差し切った末脚は驚異を感じる。 この◎-○は自信の本線。 ▲はダービー馬の弟ロイヤルタッチ。 以下、父内国産代表のサクラスピードオー。青葉賞勝ちのマウンテンストーン。驚異の良血フサイチコンコルドまで。

【レース】 好スタートでハナに立ったサクラスピードオーが引っ張ってレースが始まった。 スピードオーのペースは絶好で、淡々とした流れのまま 3コーナーにさしかかる。 1番人気ダンスインザダークは 3番手付近の好位でぴったりマーク。 2、3番人気のロイヤルタッチ、イシノサンデーは並んで中団から。 直線に入ってもスピードオーが先頭だがもはや脚色は鈍い。 代わって大名マークのダンスインザダークが先頭に立つ。 タッチ、イシノも伸びてはいるが届きそうにない。 武の完璧なレース運びでダンスの圧勝と思われたその時! ダンスの外からまさに「音速の末脚」でフサイチコンコルドが襲いかかり、 半馬身かわして第63代ダービー馬の栄誉に輝いたのであった。 輸送のたびに熱発するという虚弱体質の馬であったが、世紀の大種牡馬 Northern Dancer の 3x3 という血の威力をマザマザと見せつける結果となった。 うーむ、おそるべし。

安田記念

96.6.9 東京芝1600m 4歳上(国指) 定量  17頭 良
  ○6 12 トロットサンダー  58 横山典 (1) 1.33.1
  △4  8 タイキブリザード  58 岡部   (3) ハナ
  △1  2 ヒシアケボノ      58 角田  (12) クビ
  ▲5  9 ジェニュイン      58 田中勝 (6) 1-1/2
  △3  6 ビコーペガサス    58 的場   (8) 1
単12 340円  複12 140円, 8 160円, 2 650円
枠4-6 830円  馬8-12 1,060円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ ハートレイク(12)
○ トロットサンダー(1)
▲ ジェニュイン(4)
△ タイキブリザード(2)、ビコーペガサス(5)、ヤマニンパラダイス(8)、ヒシアケボノ(3)
注 フラワーパーク(9)、オースミタイクーン(11)、フジノマッケンオー(13)

◎はハートレイク。前年の覇者で前哨戦の京王杯SCも勝った馬。 鞍上武の鼻息も荒く、好勝負は必至と思われた。 直前までトロットサンダーとどちらを◎にしようか迷った結果、高いオッズに惑わされて選んだ。 てなわけで○はトロットサンダー。8歳という年齢は気にかかるが、前年秋の同じマイルGI、マイルCSを勝ち、 今だマイルでは負けなしの馬。軽くは扱えない。 続く▲は、競馬エイト(愛読書)紙上で朝追い情報が非常に良かったジェニュイン。 以下、人気が割れているので手広く押えた。

【レース】 平成 5年有馬記念以来の G1ホース 8頭出走で大いに盛り上がった一戦。 1番人気になるのはトロットサンダーかハートレイクかと思われたが、結局トロットサンダーが 3.4倍で 1番人気に収まった。 レースは、序盤から逃げたヒシアケボノが直線に入っても粘りに粘りまくって(勝たれたかと思った) あわやというところまでいったが、最後に外からタイキブリザードとトロットサンダーが追い込み、 合わせた形のままヒシアケボノを交わしたところがゴール。 写真判定でトロットサンダーに軍配。非常に見ごたえのあるいいレースだった (トロットサンダーの代わりにハートレイクがいればもっと良かったが)。 ◎ハートレイクは、夢競馬のしげきさん(仮名)によれば、同じ外国馬のシャンクシーと異国の地での恋に落ちて一緒に後方を 歩いていたらしい。やれやれ。 また、私の天敵である女傑ヒシアマゾンは休養明けがたたったのか初の 2桁着順(10着)に終った。 宝塚記念でもまた喧嘩を売ってやる!

宝塚記念

96.7.7 阪神芝2200m 4歳上(混指) 定量  13頭 良 
  △6  9 マヤノトップガン  58 田原 (1) 2.12.0
  ◎4  4 サンデーブランチ  58 熊沢 (4) 1-1/2
  ▲5  7 ダンスパートナー  56 四位 (3) クビ
    3  3 ヒシナタリー      52 角田(10) ハナ
  △6  8 フジヤマケンザン  58 村本 (5) 2-1/2
単9 200円  複9 120円, 4 210円, 7 160円
枠4-6 610円  馬4-9 890円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ サンデーブランチ(2)
○ カネツクロス(6)
▲ ダンスパートナー(3)
△ マヤノトップガン(1)、フジヤマケンザン(5)
注 カミノマジック(12)、レガシーワールド(8)

前年、菊花賞と有馬記念を連勝して現役最強馬の一頭に数えられるようになったマヤノトップガン。 天皇賞では不覚をとったもののこのメンバーでは格も調子も断然で、 ブライアン・ローレルのいないここではこの馬が負ける要素は見あたらない。 しかし馬券的妙味を考えて、△にとどめた。 代わって◎はサンデーブランチ。遅れてきたサンデーサイレンスの大物で目下 3戦 3連対。 調教も抜群であり、マヤノの牙城崩しに期待。 父譲りの晩成の血からカネツクロスを○に指名。 男勝りの▲ダンスパートナー以下、老雄フジヤマケンザンなどを押える。

【レース】 強力な逃げ馬のいない一戦、おおかたの予想通りカネツクロスがハナを奪ってレースが始まった。 2番手にレガシーワールド。1番人気マヤノトップガンは 3番手、その直後にサンデーブランチという展開。 スローペースになると思われたが前半 1000m が 1.00.1 の平均ペースでレースは進む。 3コーナー付近から進出したマヤノトップガンが大名マークで 4コーナーを回るとカネツクロスはそこまで。 あとは後続をつき離して完勝。グランプリ連覇となった。 一方で 2着争いが大激戦。 直線で 2番手に抜けたサンデーブランチにダンスパートナーとヒシナタリーの両牝馬が襲いかかる。 一度はダンスに交わされたサンデーだったがしぶとく差し返し 2着を死守。 大変見ごたえのある 2着争いだった。 それにしてもブライアンがここにいないのが寂しい。

秋華賞

96.10.20 京都芝2000m 4歳牝(混指) 定量  18頭 良
    7 15 ファビラスラフイン  55 松永幹(5) 1.58.1
  △6 11 エリモシック        55 河内  (3) 1-1/2
    5 10 ロゼカラー          55 藤田  (7) 1/2
  ○4  8 レインボークイーン  55 本田  (6) 2-1/2
    4  7 マークリマニッシュ  55 岸   (13) 3/4
単15 1,880円  複15 690円, 11 390円, 10 590円
枠6-7 2,250円  馬11-15 15,500円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ エアグルーヴ(10)
○ レインボークイーン(4)
△ エリモシック(2)、イブキパーシヴ(15)、センターライジング(9)

この夏は凱旋門賞への参戦まで噂され、中間の調教でも 4歳牡馬トップクラスのロイヤルタッチを 軽くちぎる動きを見せた今春のオークス馬、◎エアグルーヴで鉄板。 鉄砲実績もあり休み明けも全く問題ないだろう。 当初対抗○はエリモシックと考えていたが、パドックでイレ込むシーンが見られたため、 急きょトライアル馬のレインボークイーンに変更。 エアグルーヴの人気が一本被りのため押えはエリモシック、イブキパーシヴ、センターライジングまで。

【レース】 シルクスプレンダー、マークリマニッシュがハナを奪いあったためハイペースとなった。 断然人気のエアグルーヴは中団から進んでいたが 3コーナー付近で早くも武の鞭がとび、場内に悲鳴が上がる。 さらに 4コーナーでも内によれ、外に弾きとばされて万事休す。10着惨敗に終わってしまった。 2番人気のヒシナタリーも 11着に大敗で波乱となったこのレースを制したのは、フランス産馬のファビラスラフイン。 直線入り口で先頭に立つとそのまま押し切る横綱相撲で完勝。 勝ちタイムの 1.58.1 はマイシンザンのレコードに 0.1秒となる超高速タイム。 イレ込んでいたと思われたエリモシックが直線鋭く伸びて 2着に入り、馬連万馬券となった。 エアグルーヴの敗因はパドックでのカメラのフラッシュに驚き、パニックになってしまったことらしい。 観客のマナーの悪さは何とかならないものだろうか。ファンファーレ時の手拍子もやめてもらいたいものだ。

天皇賞・秋

96.10.27 東京芝2000m 4歳上牡牝(指) 定量  17頭 良
  ▲2  4 バブルガムフェロー  56 蛯名正(3) 1.58.7
    4  8 マヤノトップガン    58 田原  (4) 1/2
  △8 16 サクラローレル      58 横山典(1) クビ
  ◎6 11 マーベラスサンデー  58 武    (2) アタマ
    2  3 ゴーゴーゼット      58 村本  (9) 1-1/2
単4 740円  複4 200円, 8 210円, 16 130円
枠2-4 2,060円  馬4-8 2,500円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ マーベラスサンデー(4)
○ ベストタイアップ(6)
▲ バブルガムフェロー(1)
△ サクラローレル(3)
注 ユウセンショウ(9)、カミノマジック(8)、マイネルブリッジ(17)、マイヨジョンヌ(16)

世間の注目は、タマモクロス以来史上 2頭目の春秋連覇を目指すサクラローレルに当然集まる。 確かに強いことは間違いないだろうが、このメンバーで 210円(最終的には 250円)の単勝人気というのはちょっと被りすぎだと思う。 馬券的妙味からもここは△にとどめたい。 代わっての◎はマーベラスサンデー。ここまで破竹の 6連勝(うち重賞 4連勝)は並の馬にできる芸当ではない。 9戦 8勝とまだ底を見せていない点からも、ここは勢いを買って本命とする。 ○ベストタイアップは前走毎日王冠からの調子急上昇が伝えられ、また驚異の末脚を持つことから対抗とする。 さらに、幻のクラシックホースと言われたバブルガムフェローを▲。 G1 3勝馬マヤノトップガンはまだ本調子ではないとみて無印。

【レース】 スタート直前にサクラローレルがゲート内で少々暴れて出遅れ、後方からのスタート。 早くも波乱の予感がする。ハナを奪ったのは 1番という絶好枠から飛び出した逃げ馬トウカイタロー。 直後のカネツクロスが道中並びかけたが 1000m の通過は 1.00.2 と、秋天にしてはスローペースとなった。 4角でローレルはまだ後方。前のトウカイ、カネツは坂下で力尽きた。 代わって先頭に踊り出たのはバブルガムフェローで、一時はマヤノトップガンに迫られたがそこからまた伸びて優勝。 第1回以来 59年ぶり史上 2頭目の 4歳天皇賞馬となった(史上2頭目とはこっちだったかー)。 サクラローレルはゴール前もの凄い脚で追い込んできたが、届かず 3着。 直線での位置どりのミスが決定的な敗因だろう。 全体としては上位人気馬が上位に来た見ごたえのあるレースだった。

菊花賞

96.11.3 京都芝3000m 4歳牡牝(指) 定量  17頭 良
  ◎8 17 ダンスインザダーク  57 武    (1) 3.05.1
    5 10 ロイヤルタッチ      57 岡部  (6) 1/2
    2  4 フサイチコンコルド  57 藤田  (2) クビ
    1  1 サクラケイザンオー  57 横山典(7) 2
  注3  6 ロングカイウン      57 角田  (8) 1/2
単17 260円  複17 130円, 10 290円, 4 200円
枠5-8 1,650円  馬10-17 1,760円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ ダンスインザダーク(1)
○ ミナモトマリノス(8)
△ ローゼンカバリー(11)
注 ロングカイウン(5)、メイショウジェニエ(9)

京都新聞杯を完勝して順調な秋のスタートを切ったダンスインザダークが◎。 兄エアダブリン、姉ダンスパートナーと血統的にも菊花賞向きで、 鞍上もダービーの雪辱に燃えに燃えている天才となれば軸は鉄板。 個人的に 3歳から「この馬だ」と思っていた経緯もある。 単勝勝負も考えたが、○ミナモトマリノス。 前走京都大賞典では重勝 6連勝となったマーベラスサンデーの僅差 2着。 重馬場にも滅法強くはまれば逆転も。 さらには心の友サマーサスピションの弟△ローゼンカバリー。 押えは順調度上位のロングカイウン、メイショウジェニエまで。

【レース】 強力な逃げ馬がいないこの一戦、押し出される形でハナに立ったのは不気味なブリンカーで一目でそれと分かるローゼンカバリー。 案の定スローペースとなる。人気のダンスインザダークは中団よりやや後方の最内の馬群の中。 おいおいこんな所にいて最後出て来られるのかよ、という心配をよそにレースは淡々と進む。 最終コーナーでローゼンカバリーが後続につかまり、そこからの上がり勝負となる。 このときダンスはまだ後方。秋華賞のエアグルーヴが頭をよぎる。 直線でダービー馬フサイチコンコルドが抜け出しを図ったが、その外から岡部ロイヤルタッチが襲いかかる。 おお、このまま決まりかと誰もが思ったその時、どこから来たのか(実際は内を突いた後に外へ持ち出すというコースを取った) ダンスインザダークがさらに外から一瞬で 2頭を差し切ってしまった。まさに信じられない末脚を見た。

エリザベス女王杯

96.11.10 京都芝2200m 4歳上牝(混指) 定量  16頭 良
  △8 15 ダンスパートナー    56 四位 (1) 2.14.3
  ○2  4 フェアダンス        56 藤田 (3) クビ
    5 10 シーズグレイス      54 福永(11) 1/2
  △1  2 ホクトベガ          56 的場 (4) アタマ
    5  9 スプリングバンブー  56 幸  (15) アタマ
  (2位入線のヒシアマゾンはシャイニンレーサーの
   進路を妨害したため7位に降着)
単15 240円  複15 130円, 4 210円, 10 1,150円
枠2-8 810円  馬4-15 960円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ エリモシック(8)
○ フェアダンス(2)
▲ サイレントハピネス(15)
△ ダンスパートナー(1)、ブライトサンディー(12)、ホクトベガ(4)、ロゼカラー(13)、シャイニンレーサー(6)

前走秋華賞で中1週ながら直線鋭く追い込んできた◎エリモシック。 さらに中2週という強行軍が少々気になるが、距離が伸びる上に、外回りで直線が長くなることからここはアグレッシブに狙ってみたい。 ○フェアダンスは昨夏条件戦を勝った時から目をつけていた馬。中間の状態も万全のようで末脚に期待。 ▲サイレントハピネスも追い込んでくる馬。輸送に弱いという点が気にかかるがこの馬の末脚にも驚異を感じる。 あとは本来なら◎に押したいが人気するため押さえにとどめるダンスパートナー。 昨年の同レース(ただし4歳限定だった)2着のブライトサンディー。 今や押しも押されぬ砂の女王ホクトベガ。鞍上も恐い4歳馬ロゼカラー。キセキの姉シャイニンレーサーまでを押さえる。

【レース】 ゲート内で暴れたヒシアマゾンが外枠発走になった。 スタート後、逃げ宣言福永騎乗のシーズグレイスが先頭に立つ。 2番人気ブライトサンディーが掛かり気味に2番手。 大方の予想通りスローペースとなった(だったら追い込み馬ばかり買うなって?)。 人気のダンスパートナーは中団。ヒシアマゾンは珍しく好位追走。 エリモシックは中団からやや後ろといったところ。 4角を回ってシーズグレイスが粘り込みを図るが外からヒシアマゾンとフェアダンスが飛んで来た。 やべーやっぱりアマゾンつえーよ、と思ったところへ、 先週の弟ダンスインザダークと同じコースを通ったダンスパートナーが残 り50mで差し切り勝ち。終わってみれば実績馬同士の決着となった。 ...かに見えたが審義のランプが点灯。 2位入線のヒシアマゾンが決勝線手前の進路妨害で、 秋天メジロマックイーン以来のG1連対馬の降着という後味の悪い結果になってしまった。 馬券的に助かった人は多いだろうが残念だ。(しかしアマゾンの底力恐るべし)

マイルチャンピオンシップ

96.11.17 京都芝1600m 4歳上(混指) 定量  18頭 良
    7 14 ジェニュイン        57 岡部   (1) 1.33.8
  △8 17 ショウリノメガミ    55 河内   (8) 1/2
    2  3 エイシンワシントン  57 熊沢  (15) クビ
  △5  9 ドージマムテキ      57 村本  (10) クビ
    4  8 サクラスピードオー  55 横山典 (9) クビ
単14 490円  複14 220円, 17 490円, 3 2,260円
枠7-8 750円  馬14-17 2980円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ ビコーペガサス(9)
○ スギノハヤカゼ(8)
▲ フジノマッケンオー(14)
△ ドージマムテキ(4)、ショウリノメガミ(2)、サクラスピードオー(5)

ハイペースになるだろう。快速エイシンワシントンが逃げる他、テンから飛ばしていきたい馬はたくさんいる。 そして最後の直線で差し馬たちが一気に台頭してくる様子が目に浮かぶようだ。 ◎ビコーペガサス。このレース 3度目の挑戦である。 過去 2回はいずれもあと一息が足りなかったが前走スワンSの内容からも今年はイケそう。 この馬にはこれまでだいぶ突っ込んでいるし、ここらでなんとかしてもらいたい。 ○スギノハヤカゼ。スワンSで従来の日本レコードを0.8秒も縮めてしまった驚異の 4歳馬。反動が心配だが軽視は禁物だろう。 3番手は、2年前のダービーで距離不安ながら 4着に飛んできた実力があなどれない▲フジノマッケンオー。 一時不調が続いたが最近ようやく復調してきた。 以下差し馬からドージマムテキ、ショウリノメガミを、先行勢からサクラスピードオーを押さえる。 一番人気のジェニュインは、知名度による先行人気とみて切り。

【レース】 エイシンワシントンが絶妙のスタートを切って単騎の逃げに入った。 特にせりかける馬もなく、予想外のスローペースとなってしまった。 フジノマッケンオーなんてすっかり引っ掛かっている。一番人気ジェニュインは中団。ビコーペガサスは中団よりやや後ろ。 4コーナーを回ったところでワシントンのリードはまだ 2馬身ほどあり、直線に入ってからも粘る粘る。 しかしまん中からジェニュインが鋭く突き抜けた。 道中最後方からこのペースにもかかわらずに飛んできたショウリノメガミがワシントンをかろうじて交わして 2番手に上がったところがゴール。ペースから予想するのは難しい結果だった。 それにしてもエイシンワシントンは頑張った。もし 2着に逃げ粘ったら、ジェニュインとの組み合わせでなんと 644倍つくところだった。 もしそうなっていたらファンである自分は死ぬほど後悔したことだろう(2260円の複勝を買っていなかったのもちょっと後悔)。 なおこのレースに出たヒシアケボノは 582Kg。G1出走馬の最高体重記録を更新してしまった。

ジャパンカップ

96.11.24 東京芝2400m 4歳上(国指) 定量  16頭(消1) 良
  △7 14 シングスピール        (英) 57 デットー(4) 2.23.8
    2  4 ファビラスラフイン         53 松永幹  (7) ハナ
    1  1 ストラテジックチョイス(英) 57 クィン (10) 1-1/4
  △5  9 エリシオ              (仏) 55 ペリエ  (1) 同
    5 10 アワッド              (米) 57 マッキャ(8) クビ
単14 760円  複14 210円, 4 360円, 1 560円, 9 150円
枠2-7 1,890円  馬4-14 5,100円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ バブルガムフェロー(13)
○ タイキフォーチュン(6)
▲ ペンタイア(8)
△ シングスピール(1)、エリシオ(3)、ダンスパートナー(10)、ユウセンショウ(12)

凱旋門賞で歴史的な圧勝をした仏のエリシオ、JRA史上初の 4歳天皇賞馬バブルガムフェローの 2頭を中心に、今年のJCは 4歳勢が充実。 その中から◎にバブルガムフェローを指名する。天皇賞では並いる歴戦の古馬たちを相手に完勝。 初の 2400mを心配する声もあるが、ここは 4週連続 G1勝ちのサンデーサイレンスの底力を信じて本命とする。 ○タイキフォーチュンは前走毎日王冠の大敗で株を下げてはいるが、 春先に決して適距離とはいえない NHKマイルCを制しているように実力は一流のもの。一叩きされた効果も期待する。 ▲ペンタイアは昨年あのラムタラの 2着に終わったキングジョージの雪辱を今年きっちり果たした馬。良馬場での切れ味に妙味。 以下外国勢からモハメド殿下のシングスピール、欧州最強との呼び声も高いエリシオ、 日本勢からは末脚確かなダンスパートナー、典型的なサウスポーのユウセンショウまで押さえる。

【レース】 カネツクロス先頭、エリシオ 2番手でレースは始まった。直後にファビラスラフイン。バブルガムフェローは 5番手付近。 平的ペースでレースは進む。4コーナーまではそのまま大きな動きはなかったが、直線に向いてからは激しい攻防となった。 2番人気バブルガムフェローは直線半ばで失速。ファビラスラフイン、ストラテジックチョイスが先頭に立ったかに見えたが、 中団から鋭く伸びて馬群を割ってきたシングスピールが優勝。10年ぶりの英国馬の勝利となった。 ハナ差の 2着に粘ったファビラスラフインが入った。日本の 4歳馬としては初の JC連対となった。しかも牝馬。末恐しい馬である。 エリシオもふんばったが、3着同着が精いっぱい。直線接触された不利がわずかに響いたか。 また、このレースは 9頭参加したマル外カク外が 1着から 9着まで占めてしまった。内国産にはつらい結果となった。

阪神 3歳牝馬S

96.12.1 阪神芝1600m 3歳牝(混指) 馬齢  10頭 良
  ◎6  6 メジロドーベル      53 吉田 (2) 1.34.6R
  △8 10 シーズプリンセス    53 四位 (3) 2
  △7  7 スーパードレス      53 河内 (5) 2
  ○1  1 シーキングザパール  53 武   (1) 1/2
    8  9 ナイトクルーズ      53 南井 (9) 3-1/2
単6 580円  複6 180円, 10 190円, 7 280円
枠6-8 1,430円  馬6-10 1,550円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ メジロドーベル(1)
○ シーキングザパール(4)
△ シーズプリンセス(2)、スーパードレス(3)、トウカイパステル(6)、シンコウエトワール(9)

スタート直後のとんでもない不利にもかかわらず直線だけで 3着まで追い込んできた新潟 3歳S、 2着に 5馬身差をつけて圧勝した前走のデイリー杯 3歳Sから、 メンバー中一枚も二枚も抜けているように見えるシーキングザパールではあるが、 この時期の牝馬のレースではどんな要素で敗北を喫するか分からない。 人気は 1.5倍をつける断然の一番人気。とくれば軸からハズしておいしい配当を狙わない手はない。 でもやっぱり恐いから○にはしておく。 代わって◎メジロドーベル。父はメジロライアンで内国産期待の種牡馬。しかしただの応援馬券ではない。 新馬戦で見せた直線一気の豪脚が忘れられない。G1でも十分通用するはず。 以下押さえは 1400mの日本レコードホルダーのシーズプリンセス、そのレースでクビ差 2着のスーパードレス、 SS産駒の勢いが恐いトウカイパステル、素質が見かぎれないシンコウエトワールまで。

【レース】 全馬揃ったきれいなスタート。 シーキングザパールが先頭に立つかにも見えたが、やはり外からスーパードレスが逃げに入った。 道中シーキングは中団よりやや前、直後にメジロドーベル、3番人気のシーズプリンセスは最後方からの競馬。 4角に入ると、それまで絶好位を進んでいたシーキングの手ごたえがとたんに怪しくなる。 鞍上の武がムチを飛ばしているのを横目にメジロは抜群の手ごたえで上がっていく、 直線に入ってからも鋭く伸び、大外から追い込んできたシーズプリンセスを再び突き離して完勝。 メジロの強さばかりが目立ったレースだった。

朝日杯 3歳S

96.12.8 中山芝1600m 3歳(混指) 馬齢  16頭 良
    1  1 マイネルマックス    54 佐藤哲 (2) 1.36.3
  注7 14 オープニングテーマ  54 小池   (8) クビ
    7 13 エアガッツ          54 横山典 (7) クビ
  ◎1  2 ランニングゲイル    54 武     (5) 1/2
    8 15 ダストワール        54 河内  (13) 1-1/4
単1 440円  複1 190円, 14 520円, 13 430円
枠1-7 1,260円  馬1-14 6,330円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ ランニングゲイル(4)
○ スターマイサドル(6)
▲ クリスザブレイヴ(15)
△ セイリューオー(13)
注 パーソナリティワン(7)、オープニングテーマ(2)

◎ランニングゲイル。デビューから勝ち上がるまでに 4戦を要したものの、その後の 2戦は内容の濃いレースで1勝2着1回。 鞍上武豊もその素質に惚れ込んでいるという。父も内国産のランニングフリーで期待したい。 ○スターマイサドル。前走府中 3歳Sで 2着に突っ込んできた時の末脚を評価したい。 父サンデーサイレンスの底力も恐い。 ▲クリスザブレイヴ。ノーザンテースト最後の傑作との呼び声も聞こえるほどの逸材。 キャリア 2戦にもかかわらず 1番人気に推されたことから評価を下げてみたが、あっさり勝っても不思議はないだろう。 以下いくら勝っても人気が出ない不思議な無敗馬セイリューオーの他、パーソナリティワン、オープニングテーマまで押さえ。

【レース】 途中から逃げの体勢になったオープニングテーマを除いて先行勢は全滅。差し馬の台頭が目立った。 勝ったマイネルマックスは 4コーナー手前でかなり強引な乗り方をして ランニングゲイルあたりにかなりの不利を与えたようであるが、なぜか審議の青ランプは点灯しなかった。 それでも勝ったことには変わりない。マイネル軍団、佐藤哲三ともに G1初制覇。 末脚は確かなものがあり来年のクラシックに向けて視界は明るいだろう。 また、逃げ粘ったオープニングテーマ、不利を受けながらも 4着まで追い来んで来たランニングゲイルも将来が楽しみである。

スプリンターズS

96.12.15 中山芝1200m 4歳上(国指) 定量  11頭 良
    8 11 フラワーパーク      55 田原  (1) 1.08.8
  ◎7  8 エイシンワシントン  57 熊沢  (3) ハナ
    6  7 シンコウキング      57 岡部  (4) 5
  △7  9 ヒシアケボノ        57 角田  (6) 3/4
    6  6 スギノハヤカゼ      55 田島裕(7) 1-1/2
単11 230円  複11 130円, 8 220円, 7 230円
枠7-8 480円  馬8-11 750円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ ビコーペガサス(7)
◎ エイシンワシントン(2)
△ サクラスピードオー(8)、ヒシアケボノ(4)

変則的ではあるが、◎としてビコーペガサスとエイシンワシントンの 2頭を指名したい。 ビコーペガサスは 1200mの G1で 3連続 2着。 エイシンワシントンも少し前までは無冠のスプリント王としての名を馳せていた。 両者とも何としても G1の冠がほしいところである。 またこの 2頭はどちらも大変気に入っているので心情的にどちらにも勝ってほしい。今回はほとんど私情のみの馬券である。 一応この 2頭からそれぞれ△サクラスピードオー、ヒシアケボノを押さえておく。

【レース】 1番人気のフラワーパークが絶好のスタートを見せたが、すぐに押してエイシンワシントンがハナを切った。 ワシントンには願ってもないマイペースの単騎逃げだ。これは期待できる。 もう 1頭の本命ビコーペガサスも予定通り中団から。実にいい。 と思ったのもつかの間、4コーナーでアクシデントが起こった。 ビコーペガサスのすぐ前を走っていたニホンピロスタディが故障発生。一気にスピードを落とした。 直後のビコーペガサスは致命的な不利を受け、直線に向いたところではほとんど最後方で万事休す。7着に沈んだ。 その直線ではエイシンワシントンが後続を突き放しにかかる。 直後のフラワーパークのみがぴったりとマーク。3着以下はまったくついてこれない。 その後は 2頭のマッチレース。執拗に逃げ粘るワシントンとの差をフラワーパークが じりじりと詰めていき、首の上げ下げでゴールへ飛び込んだ。 長い長い長ーい写真判定の結果、わずか 1cmの差でフラワーパークに凱歌が上がった。 同着を除けば史上最も僅差の決着だったそうだ。 ああ、エイシンワシントンの G1制覇はまたお預けとなってしまった。

有馬記念

96.12.22 中山芝2500m 4歳上(混指) 馬齢  14頭 良
  ◎4  6 サクラローレル      56 横山典 (1) 2.33.8
  ○7 11 マーベラスサンデー  57 武     (3) 2-1/2
    3  4 マイネルブリッジ    57 坂本  (14) 1/2
    5  8 ロイヤルタッチ      55 岡部   (6) 4
  △4  5 ヒシアマゾン        54 河内   (5) クビ
単6 220円  複6 130円, 11 220円, 4 1,930円
枠4-7 660円  馬6-11 900円
【レース前の見解】( ) 内は着順
◎ サクラローレル(1)
○ マーベラスサンデー(2)
▲ タイキフォーチュン(11)
△ ヒシアマゾン(5)、カネツクロス(8)、ダンスパートナー(6)

文句なくサクラローレルを◎に推す。前日売りの単勝オッズがなんと 150円。 それほど人気するとは思わなかったので、本来ならリスクとリターンの関係から蹴飛ばしたくなるところではある。 しかし木曜日の調教を見て「これならどんなに人気しても買わないわけにはいかない」と思わされてしまった。 それほどの強さを感じさせる馬。迷わず本命。 ○マーベラスサンデー。 中間は重め残りが囁かれていたが、これは取材攻勢を嫌った陣営の作戦だった。実は絶好調らしい。 前走の天皇賞 4着でやや株を下げた感があるがその前まで重賞 4連勝を含む 6連勝を達成した馬。 一度くらいの敗戦で見限るのは早い。 ▲タイキフォーチュンは春にNHKマイルCを勝った馬。この秋叩き 3走めでそろそろ爆発してもいいだろう。 以下復調の兆しがみえるヒシアマゾン、マイペースの逃げが恐いカネツクロス、 末脚切れるダンスパートナーまでを押さえて今年一年の締めくくりとする。

【レース】 ヒシアマゾンの痛根の出遅れはあったが、予想通りカネツクロスの逃げでレースが始まった。 直後に 2番人気のマヤノトップガンがつける。 さらにファビラスラフイン、マーベラスサンデーと続き、サクラローレルはちょうど中団あたり。 淡々としたペースでレースは進んでいく。レースが激しくなったのは 2周目の 3コーナーあたり。 マーベラスサンデーが徐々に進出すると一緒にサクラローレルも上がっていく。 一瞬サクラは外に持ち出せないのではと思われたが、すぐ外にいたジェニュインが失速したことで外が空いた。 4コーナーを回ったところで、内からマヤノトップガン、マーベラスサンデー、サクラローレルと並んだ。 2番人気のマヤノは手ごたえ抜群のように見えたが、なぜかここで失速。7着に敗れた。 直線ではまずマーベラスが抜け出しにかかったが、サクラの末脚はすさまじかった。 アッという間に後続を突き放すと 2着マーベラスサンデーに 2馬身 1/2の差をつけて完勝。 3着はどこから来たのか最低人気のマイネルブリッジ。 それにしてもサクラローレルは強かった。

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