1. おフランスへ行こう

1997年、春の天皇賞でマヤノトップガンの 2着に敗れたサクラローレルだったが、 陣営は当初の予定通り10月5日に行われる仏G1凱旋門賞への参戦を表明した。

サクラローレルが前年の有馬記念を圧勝した時、 この馬なら海外でも十分勝負になるだろうと思った人はたくさんいたと思うが私もその一人だ。 現地まで応援に行く価値は十分にあると思ったし、 たまたまパリに友人(フランス人)が住んでいるという好条件も重なって、 そのニュースを聞いてすぐさまこう思ったのだった。

「フランスへ行こう!」
さあ、そうと決まれば善は急げだ、準備は早い方がいい、気分は既にフランスだぁー。
...と思っているうちにいつの間にか 8月半ばになってしまいました(笑)。早く予約しなければ。

凱旋門賞という大レースだけに競馬雑誌主催の集団観戦ツアーという選択肢もあったのだが、 値段が高いしその他の日程の融通がきかなそうなので却下。 飛行機とホテルだけのツアー(現地ではすべて自由時間)を旅行代理店で申し込むのが手軽で安いしベストだろうと考えて、 とりあえず JTBへ。 世の中にはもっと安い(けど怪しい)旅行代理店があることも知ってはいたが、 自分で手はずを整えて海外旅行に行くのは今回が初めてということもあり、 大手の代理店にすることにした。いわゆる安心料ですな。

同じ JTBの中でも航空会社不問という安いコースがあったけど、5,000円しか違わなかったので飛行機も大手にした。 結局、全日空、10/4(Sat)〜10/11(Sat)の 6泊8日、Bクラス(安い)のホテル朝食付きというツアー(176,000円)を選んだ。 相場がよく分からなかったけど、まあこんなもんでしょ。

危なかったのは、申し込みに行った 8/15時点で既に飛行機がほぼ満席だったこと。 今回は日程をずらすわけにはいかない旅行なのでヒヤヒヤした。もっと早く動くべきだったと反省。

なにはともあれ準備は整った。あとはロンシャンでサクラローレルの雄姿を応援するだけだぜ。 などと思っていたのだが一ヶ月後にその悪夢は起こったのだった。

9/14に行われた前硝戦フォワ賞で、一番人気に推されたサクラローレルは 8頭立てのなんと 8着に破れた。 さらにレース後、屈腱炎を発症していたことが判明しそのまま引退。

「おーのー、フランス行きの最初の動機がいきなりなくなってしまった...」
かなり動揺したが、パリの友人の家へ遊びに行くという別の目的もあるし、 サクラローレルが出なくても凱旋門賞というレースの価値は変わらないし、ロンシャン競馬場へ行く機会なんてそうそうないし... ということで予定通り決行することに。
# しかしサクラローレルを応援する目的だけでツアーに申し込んだような人たちはさぞかし...

いろいろあったが、かくして 10月4日の朝、私はフランスへ向けて機上の人となったのであった。

【ポイント】
いざ、ロンシャンへ
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