と、その前にフランスの競馬についての説明を少々。【ポイント】この日行われたのは全部で 7レース。そのうち G1が 3つ(凱旋門賞含む)、G2が 2つ。 凱旋門賞は第5レースだった。
日本と違うのは、第1レースが昼過ぎ(13:55)に行われること。 日本と同じつもりで早朝から行くと暇を持て余すことになりそう。 そして最終レースは 17:35。サマータイムだから日が長いのだ。
気になるフランスの馬券は次の 5種類だ。馬券は 10フラン(約200円)単位で売っている。 (種類名の綴りはフォントの都合で不正確なところあり)
- Gagnant(ガニャン)
- 1頭選び、その馬が勝てば当たり。単勝。
- Placee(プラッセ)
- 1頭選び、その馬が 3着以内に入れば当たり。複勝。
- Jumelee(ジュムレ)
- 2頭選び、その両方で 1,2着を占めれば当たり。連勝複式。
- Jumelee Placee(ジュムレプラッセ)
- 2頭選び、その両方が 3着以内に入れば当たり。拡大連複(ワイド)。
- Trio(トリオ)
- 3頭選び、その全部で 1,2,3着を占めれば当たり。三連複。
日本のようなマークカードは無く、窓口は口頭式。 フランス語で話さないとまずいんじゃないかと心配していたけど大丈夫だった。 「Gagnant 11 10F, Jumelee 3-11 20F」などと書いた紙を出せばちゃんと売ってくれる。
これが馬券 途中、観戦ツアーで来たっぽい日本人に一度声を掛けられてしまった。
「すいません、馬券ってどうやって買うんでしょうか」彼はなにやら表とか数字とかが書かれていた物々しい紙を持っていた。 後で想像するに、どうやら観戦ツアーで配られた馬券購入用の紙だと思われる。 つまり馬券の種類や馬番があらかじめ印刷されていて、参加者はそれをチェックして 窓口に出すらしいのだ。 手が込みすぎてかえって分かりにくくなってるんじゃないの、観戦ツアーさん?
「ああ、(自分のメモを見せて)こんな風に紙に書いて出せば大丈夫ですよ」
「え? そんな簡単でいいんですか?」ところで馬券を買うに当たって大きな問題が一つある。 窓口が少ない上に開いている時間が異常に短いのだ。 日本のように前売りはやっておらず、前のレースが終わった後かなり経ってから次のレースの馬券を売り出す。 凱旋門賞ですら 10分ぐらいしか売ってなかったんじゃなかろうか。 さらになんと払い戻しも同じ窓口でやるのでレースが進むほど長蛇の列になってしまう。 私は何とか 1レースから凱旋門賞まで全部買えたが、馬券命の人は注意が必要だろう。
ともあれ、凱旋門賞の馬券も無事に買えた。
# 私は前年の覇者でジャパンカップにも来た Helissio(エリシオ)を中心に買った。
さあそれじゃ観戦ポイントを決めなくちゃ。
正面スタンドはずいぶん人が増えてきたし内馬場にも行っておきたかったので、そちらの方へ行くことにした。 スタート地点にもちょっと近いしね。 内馬場には府中と同じように地下を通って行く。
おや、内馬場には駐車場があるぞ。川崎競馬場みたいだけどこりゃまた広いなあ。 (写真では良く分からないかもしれないけど本当に広い)
内馬場の駐車場 内馬場の方にも結構人がいたけど、まあ正面スタンドよりは少ない。 外国人はみんな背が高いので私の日本人平均程度の身長ではちょっと苦しいかと思ったが、あえて人が多いゴール板直後を選んだ。 ここなら勝利ジョッキーのガッツポーズが見えちゃったりしないかなと。
ゴール裏 そしていよいよ発走の時刻だ。 日本と違ってファンファーレは無いので気を付けていないと知らないうちにスタートしてしまう。 ばっちり注意を払っていたのでスタートを観ることはできた。
しかし失敗だ、大失敗だ。内馬場にいるとターフビジョンが見えないのだ。 なにしろ広い競馬場なので 3角から 4角、直線の半ばまでどういうレースになっているのか全然分からない。 まいったなあ、まあゴールが見られるからいいか。 なーんて思っていたが世の中なかなかうまくいかないもんだ。
確かにゴールはばっちり見えたけど、それまでの展開が分からない上に観客と馬場があまりにも近かったので、何が勝ったのかすら全く分かりませんでした(笑)。 いやー、馬ってむちゃくちゃ速く走るんですね(爆笑)。
その後、場内アナウンスでどうやら Peintre Celebre(パントルセレブル)が勝ったらしいということは分かったが、ちょっと後悔の残った観戦ポイントだった。 次回行くことがあったら今度は正面スタンドの直線を見渡せる所で観戦しよう。
ゴール時(9 Pilsudski)
Peintre Celebre 勝った Peinter Celebre は、父 Nureyev、母父 Alydar。 私は父が Nureyev ということで距離が長いんじゃないかと思ってサクッと切ってしまっていた。
# しかしこのレースで Nureyev は距離不問の種牡馬という印象が私の中に刷り込まれたのだった。ちなみにこの馬、アメリカ調教馬だけど名前はフランス語。 一緒に行った友人によれば「有名な画家」という意味だそうな。 英語にしたら“celebrated painter”ってところかな。
鞍上の O.ペリエは前年(Helissio)に続いて 2連覇。 しまったー、2連覇は Helissio じゃなくてペリエの方だったか(笑)。
そんな訳で観戦ポイントは失敗だったけどフランス競馬の雰囲気は十分堪能できた。 あと 2レース残っていたが、同行の友人があまり競馬に興味無いということもあり、ここで帰ることにした。
帰りは散歩を兼ねてまた競馬場の外周の道を歩く。 ただし今度は来た時と反対の方向へ行った。
そうしたら途中で次のレースのスタート地点に出くわした。 しかもちょうど輪乗りをしている。 おいおい、競馬場の外なのにこんな光景が見られるなんてすごいなあ。
競馬場の外から ついスタートまで見入ってしまった。
いやー、それにしても楽しい一日だった。ほんと感動の連続だった。 競馬好きにはたまりませんな。 機会があればぜひまた来たいと思いつつ私の凱旋門賞観戦は幕を閉じたのだった。